【Q&A】発表会やコンクール!あがらないためには?本番で緊張してしまう時の対策法!
発表会や人前でフルートを演奏する時、とっても緊張してしまいます。緊張してるのを落ち着かせるために、さとみんさんがやってる事とかありますか?
こんなご質問をいただきました。目次から読みたい箇所に飛べます↓
人前での演奏に緊張はつきもの
プロでも緊張している
緊張‥‥しますよね。
発表会、ソロ、吹奏楽、オーディション、試験、などなど。人前で演奏するのに緊張はつきものです。
私は、「あまり緊張してるようには見えない」とよく言われますが、実はめちゃくちゃ緊張しいです。
その度合いは歳を重ねることに増している気がします。この先どうなってしまうんだろう‥‥と恐怖すら感じます。
世界的に有名な奏者でも、リサイタルの後には「とても緊張しました」なんて言っているのをよく聞いたことがあります。
そんな人ですら緊張するのですから…緊張はして当たり前なんですよね。
緊張しない方法なんてない
レッスンをしていても、よく生徒さんに「緊張しない方法を教えてください」と言われることがあります。
しかし私は、緊張しない方法はないと思っています。
緊張って、危険を察知した時の人間の本能なんですよね。(後述します)
なので「無くすことはできない」と思っています。
えーん!じゃあいつまでもいい演奏できないじゃん!泣
と思った方!安心してください。笑
緊張はなくせませんが、うまく付き合うことで、緊張しても実力を発揮することは十分できます。
ここでは、緊張との向き合い方を書いていきたいと思います。
緊張は悪いことではない!
そもそも、人はなぜ緊張するのか
緊張するのは、「古来から人間に備わっている本能」なのです。
野生動物なんかと共存していた時代は、この本能のおかげで危険を察知し、逃げるか戦うかの対処をすることで人は生き延びてきました。
恐怖を感じた時に、心臓がドキドキしたり、汗が出たり、筋肉が硬くなったりするのは大昔からなんですね。
緊張するのは人間の本能。ということで、自分ではどうしようもないのです!
ある意味、何万年も前から備わってきた能力の一つなのですから(笑)
なので「緊張は悪いことじゃない。仕方ないことなんだ」と思ってください。まずはそこからです!
なぜ人前での演奏は緊張するのか
ではなぜ、人前で演奏すると緊張するのでしょうか。
色々あるかと思いますが、やはり「強い想いがあること」が理由だと思います。
ここまで頑張ってきたんだから…
「合格したい!」「いい演奏したい!」「恥をかきたくない!」「成果を発揮したい!」「褒められたい!」
こんな想いを持っていませんか?
どうでもいいことなら、緊張しませんよね。
想いがある分、その裏に「達成できなかったらどうしよう…」という恐怖があり、緊張に繋がるのではないでしょうか。
緊張するのは、それだけあなたがその演奏に対して「強い気持ちを持っている」のです。
でも、それはとても素晴らしいことなので、「こんなにも強い気持ちがあるんだ!」と、自分を認めてあげてくださいね。
過去の大失敗例
緊張しなかった本番
ここで、私が緊張しなかったことで大失敗した経験をお話したいと思います。
それは音大生の頃。年に2回しかない大事な実技試験なのに、本番前になっても全然緊張しないことがありました。
試験前のリハーサルでは、
「あれ、私、今日全然緊張してない!今日はこの調子でイケるかも!」
という感じで絶好調。しかもスラスラ吹ける!
自信満々で試験に臨みました。が、しかし…
試験中、演奏していくうちにドンドン緊張してきたんです。
演奏に集中したいのに、急にきたドキドキが気になって
どうしようもないくらい、汗が吹き出し、もう冷静にはいられませんでした。
普段出来ていた部分もミスりまくり、口も安定せずいいも音出ない‥‥
大失敗でした。。
なぜ失敗につながったのか
あとから思うと、緊張しなかったのは
「今から本番という実感が湧いていなかっただけ」なんだと、今となっては思います。
”緊張してない!オーケー!👌”ではないんですね。
実感ができてないという事は、本番に向けての身体の状態が作れていない、頭の準備もできていないということです。
それでは本番でいい演奏ができるワケがないんですね。
この時の私は、試験官の前で吹き始めてから、やっと実感したんでしょうね…(恐ろしい)
なので、緊張しない=必ずしもイイ事ではないのです。
本番前にもかかわらず緊張しない時は、自分を疑います!
「アタシ今の状況わかってる?!」って‥‥。
演奏中に緊張してくるのはもう懲り懲りです💦
本番前に緊張している人は正解だと思うのです。
なので、緊張を排除しようとせず
「よし、ドキドキしてきた。準備できてる。大丈夫!」
と、受け入れてあげてくださいね。
緊張してもちゃんと吹けるためにやっていること
本番前日までにする3つのこと
長くなりましたが、いよいよ緊張対策のお話です!
まずは本番の前の日までにすること。
①不安な箇所がなくなるまでしっかり練習する
当たり前の話ですが、不安が残っている=恐怖のタネ=緊張の原因 となります。
なるべく、できないところがない!というくらいまでしっかりさらいましょう。
ただ、完璧に、というのは現実的ではないので、自分で一定のラインを決めて、そこまで仕上げたらOK!にしましょう。
②本番のようなシチュエーションで吹いてみる
できれば、本番前は録音や録画をするなど、少しでも緊張するシチュエーションで吹いてみましょう。
誰かに演奏を聴いてもらう、のも良いとおもいます。
それで間違えるところは、本番でも間違える可能性が高いです!
①に戻って、不安な箇所を徹底的に練習しましょう。
③体調をととのえる
具体的には、しっかり寝る事、食べる事。お風呂に浸かって疲れをとる事、などです。
本番前は無理して練習しがちです。練習して疲れた分は、睡眠・食事・入浴でリセットしましょう。
特に睡眠は大事です。せめて1週間前くらいからは意識して睡眠時間を確保してくださいね。
当日体調が悪くて…となってしまうと、元も子もないですから💦
食べ物も大事です。私が書いたこちらの記事も参考にしてみてくださいね。
本番当日の過ごし方5つ
次に、本番当日に私が気を付けていることや実践していることです。
人によって、あう、あわないあると思うので参考程度にしてください☺
①本番前は喋らない
緊張すると、それを紛らわすためにも人とお話したくなりますが
さっき言った通り、緊張を無くすことはできないので
「緊張しても集中すること」に頭を切り替えます。
集中したい時、人とは喋りませんよね‥‥?
黙り込んで、別にすごいイメトレをしているとかではないのですが
自分を落ち着かせるために、私はひたすら黙ってます。
フィギュアスケートでも本番前におしゃべりしている選手っていませんよね。
だいたい、イヤフォンつけて歩いてたりフォームの確認していたり。
精神統一!的な感じですかね。
<追記>これは人によると思いますし、最近の私は「少し喋る方がいい」とも思ってきました(笑)
少し、お喋りすることで気分転換やリラックスに繋がることもあります。なるべく楽しい話・明るい話をしましょう!誰かに励ましてもらうとかもいいかも。
②本番前に吹きまくらない
本番直前は焦っていることが多いので、普段何ともなかったところをミスしたりして余計に焦ることになりがちです。
解消できないまま「本番でーす」になっちゃうと、かなり不安ですよね‥‥。なのであまり吹きません。
もうひとつは、前述した「私の大失敗の例」のとおり、本番前に超集中出来ててすごく上手に吹けた!
といった場合に、そのまま本番も上手に吹けた!
となればいいのですが、本番中に「あれ、さっきの方がよかったな‥‥」なんて思い始めてガタガタ‥‥なんてことにも。
集中して演奏する為にも、比べる対象を作らないのもひとつかな‥と思います。比べるのは練習中にしましょう!
あとは、単純に体力を残しておくため!です☺
これもフィギュアスケート見てて思いますが、本番前の3分間練習で滑りまくっている選手もいないですよね。たまに難しいジャンプしている選手もいますが、飛ぶタイミングの確認だけとか。
本番前は、吹くよりもストレッチなどのウォーミングアップをしたり、ゆったり過ごすことをオススメします。
③軽く体操をする
人前に立つと、緊張してどうも足元がフワフワして安定しない!
という経験されたことがある方は多いのではないでしょうか。
「足元がフワフワするよね」というのは私の師匠もおっしゃっていました。
地に足がついていない感覚のままいい演奏というのは難しいと思います。
これは、緊張して上半身の方ばかりに力が入ってしまうことが原因かなと思います。
なので、簡単にではありますが、少しでもと思って、力を抜く体操をします。
ひとつはこんな感じ↓
まっすぐ立って左右に手をブラブラ~の図です(笑)
私はそんなにブンンしてません。かるーくブラブラするだけでいいです。
この体操は歪み取りの意味もあるそうです。気休め程度ですが…よく舞台袖や、控室でやっています。
あと、軽くジャンプするのもいいですよ(準備運動でよくやる跳躍みたいな感じ)
そのとき、地面に足が着くのを意識して感じてみてください。
どちらも、ヘンな力みを抜いてしっかり立つのに効果があると思います。ぜひ試してみてください!
④身体をあたためる
緊張すると、身体がこわばってしまうので、ゆるめるために温かい飲み物が有効です。
飲み物じゃなくても、冬場はカイロであたためる、などもいいと思います。
とにかく冷やさないことが大切かなと思います☺
コンクールの控室など、夏場はエアコンが効きすぎていることがあるので
羽織るものを持参することをオススメします。
⑤いい意味で諦める、吹っ切れる
ここまで色々紹介してきましたが、全部を完璧にやろう!と、気負ってしまうと
逆効果になってしまうことがあります。
なので、最終的には「自分はよくやってきた!!」と、吹っ切れることも大切です!
これは演奏中にも言えますが、舞台上ではもう細かいことは気にしません。
もしミスしても、そのことは自分ではすごく分かるかと思いますが、実際聞いてる人には分からないことが多いです。
ミスしてもすぐ忘れる、あきらめる、吹っ切る!どう立て直すかが大切です。
これもフィギュアスケートの話になりますが、ジャンプでミスして、そのまま最後までガタガタな演技になる選手と、ミスしたことが無かったかのようにすぐ立て直し、後半素晴らしい演技をする選手もいますよね。
後者でありたいですよね。細かいことを気にするのは練習中だけ!
「自分は、この曲を通してなにを表現したいんだ?」に集中です。
本番は、大きな目線で全体のことを考えましょう。木を見て森を見ず にならないようにしましょう!
さいごに…諦めないで何度もチャレンジ!
まとめです。緊張は「しないようにする」のではなく「うまく付き合うこと」がポイントです!
そして緊張している自分を「受け入れる」ことが大切です。
今回お話した対策などは、初回から効果があるかは分かりません。
頭でわかっていても、身体に起こる反応を変えるのはなかなか難しいです。
そのへんも含め、最終的にはやっぱり「場数」がものを言うところは大いにあります。
何度も本番にチャレンジし、そのつど反省、次回の計画、実践、そして反省…この繰り返しで
だんだん、緊張しても実力を発揮できてきます。(私もそうでした!)
なので、数回の失敗で諦めないでくださいね!
「緊張して、うまくいかなかったなぁ」という方は、”緊張することで自分がどうなったか?”を振りかえってみてください。
緊張とうまく付き合って、良い本番が迎えられますように!
★★★
フルートに関するお悩みなどありましたら、ぜひなんでも聞いてください♩
「こんな事恥ずかしくて聞けない…」と思う事や、「今更なんだけど…」なんてことでも大歓迎!